電気温水器からエコキュートへ交換できる?
現在使用している電気温水器からエコキュートへ交換することは可能です。同じ貯湯式の給湯設備であるため、既存の給水・給湯配管や電源設備を一部活用できる場合があります。
ただし、電気温水器とエコキュートでは機器の構成が異なります。
| 給湯器 | 主な機器構成 |
|---|---|
| 電気温水器 | 電気ヒーターを内蔵した貯湯タンク |
| エコキュート | 貯湯タンク+ヒートポンプユニット |
電気温水器は基本的にタンク本体だけですが、エコキュートは貯湯タンクとは別に、エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットを設置します。
そのため、既存の電気温水器が置かれている場所とは別に、ヒートポンプユニットを置くスペースを確保できるかが重要です。
電気温水器とエコキュートの仕組みから確認したい方は、電気温水器とエコキュートの違いを解説した記事もあわせてご覧ください。
電気温水器からエコキュートへ交換するメリット
給湯に使用する電力量を抑えやすい
電気温水器は、タンク内のヒーターで水を直接温めます。一方、エコキュートは電気でヒートポンプを動かし、屋外の空気から集めた熱を利用してお湯を沸かします。
空気の熱を活用できるため、同じ量のお湯を作る場合、一般的には電気温水器よりエコキュートの方が給湯に必要な電力量を抑えやすくなります。
ただし、実際の電気代は電力会社の料金プラン、家族のお湯の使用量、地域の気温、設定、昼間の沸き増し回数などによって変わります。
便利な給湯機能を選べる
古い電気温水器が給湯専用タイプの場合、エコキュートへ交換することで、自動お湯張り、保温、自動足し湯、追いだきなどの機能を利用できる場合があります。
ただし、追いだき機能を追加するには浴槽までの配管工事が必要です。現在の浴槽や配管の状態によっては、大がかりな工事になることもあります。
補助金の対象になる場合がある
一定の性能を満たしたエコキュートは、国の給湯省エネ事業や自治体独自の補助制度の対象になる場合があります。
また、対象となるエコキュートの導入と同時に既存の電気温水器を撤去すると、撤去加算を受けられる制度もあります。
交換費用の目安
電気温水器からエコキュートへ交換する費用は、一般的な目安として40万円~70万円程度になることがあります。
ただし、この金額はエコキュートの容量、給湯機能、設置場所、既存設備の状態などによって大きく変わります。補助金を差し引く前の目安であり、すべての工事がこの範囲に収まるわけではありません。
| 費用に含まれる主な項目 | 内容 |
|---|---|
| エコキュート本体 | 貯湯タンク、ヒートポンプユニット、リモコンなど |
| 既存機器の撤去 | 電気温水器の水抜き、取り外し、搬出 |
| 新しい機器の設置 | 貯湯タンクとヒートポンプユニットの据え付け |
| 配管工事 | 給水、給湯、追いだき、ヒートポンプ配管など |
| 電気工事 | 電源、専用回路、ブレーカー、配線など |
| リモコン工事 | 台所・浴室リモコンの交換や配線 |
| 処分費 | 取り外した電気温水器の運搬と処分 |
本体価格だけでは比較できません
インターネットで表示されている本体価格が安くても、標準工事、既存機器の撤去、配管部材、リモコン、処分費などが別料金の場合があります。見積もりでは「工事完了までの総額」を確認しましょう。
追加費用が発生しやすいケース
既存設備をそのまま利用できない場合や、機器の搬入が難しい場合は追加費用が発生します。
新しい基礎を作る必要がある
満水時のエコキュートは非常に重くなるため、安定した基礎への設置が必要です。既存の基礎が小さい、傾いている、ひび割れている場合は、新しいコンクリート基礎や専用基礎が必要になることがあります。
配管を延長・交換する必要がある
ヒートポンプユニットの位置が貯湯タンクから離れる場合や、既存配管に劣化・漏水がある場合は、配管の延長や引き直しが必要です。
追いだき配管を新設する
給湯専用の電気温水器からフルオートタイプのエコキュートへ変更し、新たに追いだき機能を付ける場合は、浴槽までの循環配管工事が必要です。
電気設備を変更する
既存の電源設備、ブレーカー、配線が新しいエコキュートに対応していない場合は、交換や配線工事が必要です。
搬入や撤去に特殊な作業が必要になる
狭い通路、屋上、塀で囲まれた場所など、通常の方法で機器を運べない場合は、複数人での搬出入やクレーン作業が必要になることがあります。
- 電気温水器が屋内や屋上に設置されている
- 家と塀の間が狭い
- 隣家との距離が近い
- 設置後に増築され、搬出経路がなくなっている
- 大型の丸型電気温水器を使用している
正確な費用を出すには、本体の写真だけでなく、設置場所全体と搬入経路の確認が必要です。
電気温水器からエコキュートへ交換する工事内容
一般的な交換工事は、次のような流れで進みます。
- 既存の電気温水器の電源を切る
- タンク内の水やお湯を抜く
- 配管と電気配線を取り外す
- 既存の電気温水器を搬出する
- 基礎や設置場所の状態を確認する
- エコキュートの貯湯タンクを設置する
- ヒートポンプユニットを設置する
- 給水・給湯・ヒートポンプ配管を接続する
- 必要に応じて追いだき配管を接続する
- 電源・ブレーカー・リモコンを接続する
- タンクを満水にして試運転する
- 水漏れやリモコン動作を確認する
既存の基礎や配管を利用できる場合は、1日程度で工事が完了することがあります。ただし、基礎工事、追いだき配管の新設、電気設備の変更などが必要な場合は、工事が複数日に分かれる可能性があります。
工事当日は、電気温水器から水を抜いて取り外すため、一定時間お湯を使用できません。また、新しいエコキュートはタンクへの給水と沸き上げが必要なため、工事完了直後から十分なお湯を使えるとは限りません。
交換前に確認したい6つの設置条件
1.ヒートポンプユニットを置けるか
エコキュートでは、貯湯タンクとは別にヒートポンプユニットを設置します。本体の寸法だけでなく、点検や修理に必要なスペースも確保しなければなりません。
2.運転音や風が近隣へ影響しないか
ヒートポンプユニットは、主に沸き上げ時にファンが回転し、前方へ風が出ます。寝室の窓、隣家の窓、狭い囲いの中などへの設置は、運転音や振動の感じ方に影響することがあります。
3.基礎が貯湯タンクを支えられるか
既存の基礎を再利用できるかは、広さ、厚さ、ひび割れ、傾き、アンカー位置などから判断します。見た目だけでは分からないこともあるため、現地確認が必要です。
4.搬入経路を確保できるか
現在の電気温水器を搬出し、新しい貯湯タンクを搬入できる通路幅が必要です。門扉、室外機、フェンス、植木なども搬入の妨げになることがあります。
5.排水先を確保できるか
エコキュートでは、貯湯タンクやヒートポンプユニットから排水が発生します。排水が建物の基礎や隣地へ流れないよう、適切な排水経路を確保します。
6.電気設備が対応しているか
専用回路、電圧、ブレーカー容量、配線の状態などを確認します。既存の電気温水器が200Vであっても、新しい機種にそのまま使用できるとは限りません。
タンク容量は現在と同じでよい?
交換するエコキュートのタンク容量は、現在の電気温水器と同じにすればよいとは限りません。
容量を決めるときは、次の項目を確認します。
- 現在の家族人数
- 今後の家族人数の変化
- 浴槽へお湯を張る頻度
- シャワーを使う時間
- 来客や宿泊者の頻度
- これまでお湯切れしたことがあるか
- 追いだきや足し湯の使い方
一般的には370Lや460Lなどの容量が選ばれますが、同じ4人家族でも、お湯の使い方によって適した容量は異なります。
容量が小さすぎると昼間の沸き増しが増え、お湯切れや電気代増加につながる場合があります。一方、必要以上に大型の機種を選ぶと、本体価格や設置スペースが増える可能性があります。
マンションでもエコキュートへ交換できる?
マンションでも、設置条件を満たしていれば電気温水器からエコキュートへ交換できる場合があります。ただし、戸建住宅より確認事項が多くなります。
- 管理規約でエコキュートへの交換が認められているか
- 管理組合への申請が必要か
- 設置スペースへ収まる機種があるか
- 床の耐荷重に問題がないか
- ヒートポンプユニットを設置できるか
- 共用廊下やエレベーターを使って搬入できるか
- 工事可能な曜日や時間帯に制限があるか
マンションでは、メーターボックスやパイプスペースに角型または丸型の電気温水器が設置されていることがあります。スペースが限られていると、一般的なエコキュートを設置できない場合があります。
工事業者へ相談する前に、管理会社または管理組合へ給湯器交換の規則を確認しておくとスムーズです。
2026年は補助金を利用できる可能性がある
2026年は、一定の性能要件を満たすエコキュートが「給湯省エネ2026事業」の補助対象になる場合があります。
さらに、補助対象となる高効率給湯器の導入と同時に既存の電気温水器を撤去する場合、撤去加算の対象になる可能性があります。
資源エネルギー庁が公表している内容では、電気温水器の撤去加算は2万円/台です。ただし、エコキュートからエコキュートへの交換は、この撤去加算の対象ではありません。
補助金を利用するときの注意点
- すべてのエコキュートが対象ではありません
- 対象製品として登録された機種を選ぶ必要があります
- 消費者本人ではなく登録事業者が申請する制度があります
- 工事や契約の時期に条件があります
- 予算上限に達すると受付が終了する場合があります
- 自治体制度との併用可否は個別に確認が必要です
制度名だけを見て機種や工事を決めるのではなく、契約前に「対象機種か」「申請できる事業者か」「現在も予算が残っているか」を確認しましょう。
国と自治体の制度については、2026年に給湯器交換で使える補助金・助成金の解説で詳しく紹介しています。
交換を検討するなら故障前の現地確認がおすすめ
電気温水器が完全に故障してから交換先を探すと、新しい機種の手配や工事が終わるまでお湯を使えない期間が発生する可能性があります。
設置から10年以上経過している場合や、エラー・温度の不安定・水漏れなどが見られる場合は、使用できているうちに交換候補を調べておくと安心です。
電気温水器の交換時期を判断したい方は、電気温水器の寿命と故障サインを解説した記事もご確認ください。
現地調査では、次の項目を確認します。
- 現在のメーカーと型番
- タンク容量と給湯方式
- 貯湯タンクとヒートポンプユニットの設置場所
- 既存基礎の状態
- 給水・給湯・追いだき配管の状態
- 電源とブレーカー
- 既存機器の搬出経路
- 新しい機器の搬入経路
写真だけで概算できる場合もありますが、狭い場所や特殊な設置環境では、現地を確認しないと正確な工事内容を判断できません。
電気温水器からエコキュートへの交換は生活修理案内所へ
生活修理案内所では、現在の電気温水器の型番や設置状況を確認し、エコキュートへ交換できるかをご案内します。
機種が決まっていない段階や、「370Lと460Lのどちらがよいか分からない」「補助対象機種を選びたい」といったご相談も可能です。
機種選び・設置確認・お見積もりからご相談ください
- 電気温水器からエコキュートへ交換できるか知りたい
- 必要な工事と総額を確認したい
- 補助金の対象機種を選びたい
- 古い電気温水器から水漏れしている
- 設置場所をうまく説明できない
設置環境の説明が難しい場合は、現地確認についてもお気軽にご相談ください。
お問い合わせ前に、本体全体、型番ラベル、配管、設置場所の周囲、搬入経路の写真をご用意いただくと、確認がスムーズです。
まとめ
電気温水器からエコキュートへの交換は可能ですが、貯湯タンクとは別にヒートポンプユニットを設置するスペースが必要です。
交換費用は一般的に40万円~70万円程度が目安になりますが、基礎、配管、電気設備、搬入経路、追いだき配管の有無などによって変わります。本体価格だけではなく、撤去や処分を含めた工事総額で比較しましょう。
2026年は、対象となるエコキュートへの交換で国の補助制度を利用できる可能性があります。既存の電気温水器を撤去する場合は加算対象になることもあるため、契約前に対象機種と申請条件を確認することが大切です。
交換できるか判断できない場合は、現在の型番と設置状況が分かる写真を用意し、専門業者へ相談しましょう。