給湯器の設定温度は水栓の種類と用途で決める
給湯器の設定温度について「何度にすればよいのか」と迷う方は多いでしょう。
一般的な目安としては40℃前後が使いやすい温度ですが、すべての家庭で40℃に設定すればよいわけではありません。
適切な設定温度は、主に次の条件で変わります。
- シャワー・キッチン・洗面所などの使用場所
- 直接お湯を出す水栓か、水と混ぜる混合水栓か
- サーモスタット混合水栓を使用しているか
- 夏と冬の給水温度
- 給湯器と水栓までの距離
- 家族の体感温度
- 給湯器の機種や給湯能力
まず水栓の種類を確認しましょう
蛇口から設定温度のお湯を直接出す場合と、給湯器で作った高めのお湯を水栓側で水と混ぜる場合では、適切な設定温度が異なります。
用途別に見る給湯温度の目安
| 用途 | 温度の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 手洗い・洗面 | 35~38℃程度 | 冷たさを感じにくい範囲で調整 |
| キッチン | 35~40℃程度 | 油汚れや手荒れを考慮して調整 |
| シャワー | 38~40℃程度 | 体にかける前に手で温度を確認 |
| 浴槽のお湯 | 38~41℃程度 | 給湯温度ではなく、ふろ温度で設定 |
| サーモスタット混合水栓 | 給湯器50~60℃の場合あり | 水栓側で水と混ぜて適温にする |
表の温度は一般的な目安です。乳幼児、高齢者、肌が敏感な方がいる家庭では、より低めの温度から確認してください。
また、給湯器リモコンの設定温度と、実際に蛇口から出るお湯の温度は必ずしも一致しません。配管からの放熱や水栓での混合などによって変化します。
給湯温度とふろ温度は別の設定
追いだき機能付きのふろ給湯器では、「給湯温度」と「ふろ温度」を別々に設定できることがあります。
給湯温度
シャワー、キッチン、洗面所などの給湯栓から出るお湯の温度です。
ふろ温度
自動湯はりや追いだきで、浴槽内のお湯を何度にするかという設定です。
例えば、給湯温度を50℃に設定していても、ふろ温度を40℃に設定していれば、自動湯はりでは基本的に40℃を目標にお湯を張ります。
反対に、ふろ温度を変更しても、キッチンやシャワーの給湯温度が自動的に同じ温度へ変わるとは限りません。
リモコンの表示に「給湯」「ふろ」などの記載があるか確認しましょう。
シャワーの設定温度は水栓の種類で異なる
給湯温度をそのまま出す場合
給湯器で設定した温度のお湯を、水栓でほとんど水と混ぜずに使用する場合は、38~40℃程度から調整すると使いやすいでしょう。
ただし、使い始めや使用中に温度が変化することがあります。体にかける前に、必ず手で温度を確認してください。
サーモスタット混合水栓を使用する場合
浴室でよく使われるサーモスタット混合水栓は、給湯器から届いたお湯と水を水栓内部で混ぜ、設定した温度に調節します。
このタイプでは、給湯器の設定温度が水栓側の希望温度と近すぎると、温度調節に必要なお湯が不足し、ぬるくなったり流量が少なくなったりする場合があります。
水栓メーカーによっては、給湯器を50~60℃に設定し、水栓側で約40℃に調節するよう案内しています。
高温設定中は別の蛇口に注意
給湯器を50~60℃に設定すると、サーモスタット機能のないキッチンや洗面所の蛇口から高温のお湯が出る可能性があります。家族にも設定を伝え、やけどに十分注意してください。
キッチンの設定温度は35~40℃程度が目安
キッチンでは、食器洗いや調理器具の洗浄などにお湯を使用します。
日常的な洗い物であれば、35~40℃程度を目安に、汚れの落ち方や手の冷たさに合わせて調整します。
温度を高くしすぎると、やけどだけでなく手荒れにつながることがあります。油汚れを落とすために、常に高温のお湯を使う必要はありません。
油の多い食器やフライパンは、洗う前に紙や布で油を拭き取ると、使用するお湯と洗剤を減らしやすくなります。
軽い手洗いや食材のすすぎなど、水で十分な場面では、水栓レバーを水側に合わせましょう。
詳しくは、水しか使っていないのに給湯器が動く理由と水栓レバーの正しい使い方をご覧ください。
夏と冬で設定温度を変えるべき?
夏の設定温度
夏は水道水の温度が高くなるため、給湯器が少ない燃焼量でお湯を作る必要があります。
水量を極端に絞ると、給湯器が安定して燃焼できず、点火と停止を繰り返して温度が上下することがあります。
夏にお湯が熱すぎる場合は、給湯温度を下げるだけでなく、シャワーや蛇口の水量を少し増やすと安定する場合があります。
冬の設定温度
冬は水道水の温度が低く、給湯器から水栓までの配管でも熱が逃げやすくなります。そのため、同じ設定温度でも夏よりぬるく感じることがあります。
寒い時期にぬるく感じる場合は、設定温度を少し上げて調整します。ただし、一度に大きく上げず、実際の温度を手で確認してください。
給湯器の能力を超える量のお湯を同時に使用すると、冬場は希望温度まで上げられない場合があります。その場合は、設定温度よりも同時使用を減らす方が効果的です。
低い温度設定にすればガス代は安くなる?
給湯器の設定温度を下げれば、作るお湯そのものの温度が下がるため、同じ量をそのまま使用する場合は燃料消費を抑えやすくなります。
ただし、設定温度を下げれば必ず大幅な節約になるとは限りません。
水栓で水を混ぜる場合
例えば、給湯器で高めのお湯を作り、水栓で水と混ぜて40℃のシャワーにする場合と、給湯器から40℃のお湯を直接出す場合では、実際に使用する湯量や機器の効率によって差が変わります。
最終的に体へかけるお湯の温度と量が同じなら、リモコンの数字を下げるだけで大幅な節約になるとは限りません。
節約につながりやすい方法
- シャワーを出しっぱなしにしない
- シャワーの使用時間を短くする
- 必要以上に高い吐水温度にしない
- 浴槽のふたを使う
- 追いだきの回数を減らす
- 家族が時間を空けずに入浴する
- 水で十分な場面では給湯器を作動させない
設定温度だけでなく、「何度のお湯を、どれだけの量、何分間使うか」を見直すことが大切です。
設定温度を低くしすぎると温度が不安定になることがある
ガス給湯器や石油給湯器には、安定して燃焼できる最低限の能力があります。
夏場に低い温度を設定し、さらに水量を絞って使用すると、給湯器が必要とする最低流量や最低燃焼量を下回り、燃焼が停止することがあります。
その結果、次のような症状が発生する場合があります。
- シャワーが急に水になる
- 熱くなったり冷たくなったりする
- 燃焼マークがついたり消えたりする
- 少量の水ではお湯にならない
このような場合は、蛇口やシャワーの流量を少し増やして確認してください。
流量を増やしても温度が安定しない場合は、給湯器の不具合、水栓のフィルター詰まり、サーモスタットカートリッジの劣化なども考えられます。
50℃・60℃設定にするときの注意点
サーモスタット混合水栓の性能を発揮させるため、給湯器を50~60℃に設定する場合があります。
一方、キッチンや洗面所など、サーモスタット機能のない水栓では、給湯器で設定した高温のお湯がそのまま出る可能性があります。
- 家族へ高温設定中であることを伝える
- 使用前に必ず手で温度を確認する
- 子どもだけで操作させない
- 高温のお湯を使用した後は水栓を水側へ戻す
- シャワー使用中に別の人が設定温度を変更しない
- リモコンの優先表示を確認する
給湯器の機種によっては、60℃などの高温設定時に音声や表示で注意を知らせます。
高温のお湯を使用した後に設定温度を下げても、配管内には熱いお湯が残っていることがあります。しばらく流して温度を確認してから使用してください。
リモコンの「優先」とは?
台所と浴室の両方にリモコンがある給湯器では、どちらのリモコンで給湯温度を変更できるかを示す「優先」機能があります。
優先になっていないリモコンで温度を変更しようとしても、設定できない場合があります。
浴室でシャワーを使用している途中に、キッチン側で温度を変更できると、シャワーの温度が急変して危険です。そのため、温度を変更できるリモコンを限定する仕組みになっています。
シャワー使用中に優先を切り替えない
シャワーを使っている人へ確認せず、別のリモコンから給湯温度を変更したり、運転スイッチを切ったりしないでください。
優先の切り替え方は、給湯器やリモコンによって異なります。取扱説明書を確認してください。
設定温度と実際のお湯の温度が違う理由
リモコンを40℃に設定しても、蛇口から必ず40℃のお湯が出るとは限りません。
温度差が発生する主な原因は次のとおりです。
- 給湯器から水栓までの配管で熱が逃げている
- 水栓内部で水とお湯を混ぜている
- サーモスタット混合水栓の設定がずれている
- 水栓のフィルターにごみが詰まっている
- 複数の場所で同時にお湯を使っている
- 給湯器の能力に対して使用量が多い
- 水量が少なすぎて燃焼が安定していない
- 給湯器または水栓が故障している
給水温度が高い場合や、お湯の量を極端に絞った場合は、設定温度より熱いお湯が出ることもあります。
設定温度と実際の温度が大きく違う状態が続く場合は、給湯器だけでなく水栓側の点検も必要です。
給湯器の点検を依頼した方がよい症状
次のような症状がある場合は、設定温度の変更だけで解決しない可能性があります。
- 水量を増やしても温度が安定しない
- 設定温度より極端に熱い、またはぬるい
- 使用中に急に水へ変わる
- 複数の水栓で同じ症状が出る
- 給湯器から異音や異臭がする
- エラーコードが表示されている
- 給湯器や配管から水漏れしている
- 以前よりお湯になるまで時間がかかる
1か所の水栓だけで症状が出る場合は、水栓側の不具合が考えられます。家中の水栓で同じ症状が出る場合は、給湯器側に原因がある可能性が高くなります。
エラーが表示されている場合は、給湯器エラーコード早見表からメーカーとコードを確認できます。
給湯温度や機器の状態でお困りならご相談ください
給湯器の適切な設定温度は、水栓の種類、設置状況、使用する場所によって異なります。
「設定温度を変えてもぬるい」「シャワーの温度が安定しない」「給湯器と水栓のどちらが悪いか分からない」といった場合は、生活修理案内所へご相談ください。
給湯器と水栓のどちらに原因があるか分からなくても対応します
現在の型番や症状を確認し、修理・部品交換・給湯器交換についてご案内します。
まとめ
給湯器の設定温度は、一般的には40℃前後が使いやすいものの、水栓の種類や使用目的によって適切な温度が異なります。
給湯器からのお湯を直接使用する場合は、シャワーなら38~40℃程度、キッチンなら35~40℃程度から調整するとよいでしょう。
サーモスタット混合水栓を使用している場合は、水栓の性能を発揮するため、給湯器を50~60℃に設定するよう指定されていることがあります。ただし、ほかの蛇口から高温のお湯が出る可能性があるため、やけどに注意が必要です。
設定温度を下げるだけでなく、お湯の使用時間や量、追いだきの回数を見直すことも節約につながります。
温度が大きく変化する、設定どおりにならない、エラーが表示される場合は、給湯器または水栓の点検を検討してください。
給湯器の設定温度は、一般的には40℃前後が使いやすいものの、水栓の種類や使用目的によって適切な温度が異なります。
給湯器からのお湯を直接使用する場合は、シャワーなら38~40℃程度、キッチンなら35~40℃程度から調整するとよいでしょう。
サーモスタット混合水栓を使用している場合は、水栓の性能を発揮するため、給湯器を50~60℃に設定するよう指定されていることがあります。ただし、ほかの蛇口から高温のお湯が出る可能性があるため、やけどに注意が必要です。
設定温度を下げるだけでなく、お湯の使用時間や量、追いだきの回数を見直すことも節約につながります。
温度が大きく変化する、設定どおりにならない、エラーが表示される場合は、給湯器または水栓の点検を検討してください。