ガス給湯器と石油給湯器はどちらがおすすめ?
ガス給湯器と石油給湯器のどちらが適しているかは、給湯器本体の価格だけでは判断できません。
現在使用している燃料、都市ガスの供給地域かどうか、プロパン(LPガス)の契約料金、灯油の購入価格、家族の人数、お湯の使用量などによって結論が変わります。
大まかな選び方
- 導入費用と管理の手軽さを重視:ガス給湯器
- お湯を多く使い、燃料費を比較したい:石油給湯器
- 都市ガスを利用できる:都市ガス給湯器が有力
- 都市ガスがなく、プロパン料金が高い:石油給湯器も比較
- 現在と同じ燃料で交換できる:同じ種類を選ぶと工事を抑えやすい
「石油給湯器は必ず安い」「ガス給湯器は必ずお得」とは限りません。自宅の条件で、設置費用と数年間の燃料費を合わせて比較することが重要です。
ガス給湯器と石油給湯器の違い
| 比較項目 | ガス給湯器 | 石油給湯器 |
|---|---|---|
| 使用燃料 | 都市ガスまたはプロパン(LPガス) | 灯油 |
| 本体の大きさ | 比較的コンパクト | 本体に加えて灯油タンクが必要 |
| 燃料の供給 | 配管から供給される | 灯油の補充・配送が必要 |
| 設置場所 | 壁掛け型も多く、省スペース | 本体と灯油タンクの設置場所が必要 |
| 燃料費 | 都市ガスとプロパンで大きく異なる | 地域や時期によって灯油価格が変動する |
| 燃料の管理 | 基本的に補充作業は不要 | 残量確認や給油が必要 |
| 向いている住宅 | 都市部・集合住宅・省スペースの住宅 | 戸建住宅・寒冷地・お湯の使用量が多い家庭 |
石油給湯器で使用する燃料が灯油です。「石油給湯器」と「灯油給湯器」は、一般的には同じ種類の給湯器を指します。
イニシャルコストはガス給湯器が抑えやすい傾向
イニシャルコストとは、給湯器本体の購入費用、撤去費用、設置工事費など、導入時にかかる費用のことです。
一般的には、ガス給湯器の方が本体や設置工事を含めた初期費用を抑えやすい傾向があります。壁掛け型が多く、既存のガス配管をそのまま利用できる交換工事であれば、大がかりな設備変更が発生しにくいためです。
石油給湯器では、本体以外に灯油タンクや送油管が必要です。新しく石油給湯器を導入する場合は、次の費用が加わる可能性があります。
- 灯油タンクの購入・設置費用
- 送油管の配管工事
- 給湯器とタンクを置くための基礎工事
- 古い灯油タンクの撤去・処分費用
- 燃料の種類を変更するための配管工事
ただし、すでに石油給湯器と灯油タンクが設置されており、同じ種類へ交換する場合は、設備を流用できることがあります。
最も費用がかかりやすいのは、ガスから石油、または石油からガスへ燃料を変更するケースです。燃料設備まで変更するため、給湯器本体の価格だけで比べないようにしましょう。
ランニングコストは都市ガス・プロパン・灯油で変わる
ランニングコストとは、給湯器を使用している間にかかるガス代や灯油代などの費用です。
燃料費を比較するときは、ガス1立方メートルと灯油1リットルの価格をそのまま比べることはできません。燃料ごとに発生する熱量が異なり、給湯器の熱効率にも差があるためです。
実際のランニングコストは、主に次の条件で変わります。
- 都市ガス・プロパン・灯油の単価
- 基本料金の有無と金額
- 給湯器の熱効率
- 家族がお湯を使う量
- 水道水の温度
- 設定温度
- 追いだきの回数
- 浴槽のお湯の量
燃料価格は地域や時期によって変動します。特に、プロパン料金は契約する販売事業者によって差があり、灯油価格も原油価格や配送条件などの影響を受けます。
比較するときは、全国平均だけでなく、実際に自宅へ供給されるガスと灯油の価格を確認してください。
都市ガスとプロパン(LPガス)は同じガス給湯器でも料金が違う
ガス給湯器には、都市ガス用とプロパン(LPガス)用があります。同じガス給湯器でも、使用するガスの種類によってランニングコストの考え方が変わります。
都市ガス
都市ガスは、地中などに整備されたガス導管を通して各家庭へ供給されます。都市部を中心に利用されていますが、導管が整備されていない地域では契約できません。
都市ガスをすでに利用している住宅では、ガス給湯器を同じ種類へ交換することで、設置費用と使い勝手のバランスを取りやすくなります。
プロパン(LPガス)
プロパンは、住宅に設置されたガスボンベなどから供給されます。都市ガスの導管がない地域でも利用できるため、地方や郊外でも導入しやすい燃料です。
一方、プロパン料金は販売事業者や契約内容による差が大きく、基本料金や従量単価も家庭ごとに異なる場合があります。
そのため、「都市ガス給湯器を使っていた家庭」と「プロパン給湯器を使っていた家庭」では、同じ量のお湯を使ってもガス代が同じになるとは限りません。
プロパンを利用している場合の確認事項
- 毎月の基本料金
- 1立方メートル当たりの従量単価
- 設備料金が別に請求されていないか
- 給湯器交換後に料金条件が変わらないか
石油給湯器は灯油の補充と保管場所が必要
石油給湯器は、灯油を燃焼させてお湯を作ります。都市ガスの供給がない地域でも設置でき、お湯の使用量が多い家庭では有力な選択肢になります。
ただし、石油給湯器を選ぶ場合は、灯油代だけでなく、灯油の管理方法も考える必要があります。
- 灯油タンクを置く場所が必要
- 灯油の残量を確認する必要がある
- 定期的に灯油を補充する必要がある
- 配送を利用する場合は配達条件を確認する
- 灯油タンクや送油管の点検が必要
灯油の配達サービスを利用できれば、自分でポリタンクを運ぶ負担を減らせます。ただし、配達可能な地域、最低注文量、配達料金などは販売店によって異なります。
高齢になってからも灯油を補充できるか、家族が管理できるか、定期配送を利用できるかも確認しておきましょう。
家族構成によって向いている給湯器は変わる
1人暮らし・2人暮らし
お湯の使用量が少ない家庭では、燃料単価の差だけで大きな節約につながるとは限りません。石油給湯器を新設するために灯油タンクや送油管の工事が必要になると、その初期費用を回収しにくい可能性があります。
都市ガスを利用できる住宅や、すでにガス給湯器が設置されている住宅では、同じガス給湯器へ交換する方法が比較的選びやすいでしょう。
3人・4人家族
毎日浴槽へお湯をため、シャワーやキッチンでもお湯を使う家庭では、ランニングコストの影響が大きくなります。
都市ガス、プロパン、灯油の実際の単価を確認し、年間でどの程度の燃料費になるか比較することが重要です。
5人以上・お湯の使用量が多い家庭
家族が多く、お湯を大量に使う家庭では、燃料単価と給湯器の熱効率による差が積み重なります。
プロパン料金が高い地域では、石油給湯器の方がランニングコストを抑えられる可能性があります。ただし、灯油価格や給湯器の機種によって結果が変わるため、実際の料金を使った試算が必要です。
家族の人数だけでなく、シャワーを同時に使うか、浴槽へ毎日お湯をためるかなども確認してください。
都市部と地方・田舎では選び方が異なる
都市部の場合
都市部では都市ガスが整備されている地域が多く、給湯器の設置スペースが限られる住宅もあります。
ガス給湯器は壁掛け型が多く、灯油タンクを設置する必要もありません。そのため、敷地の限られた戸建住宅や集合住宅では選びやすい給湯器です。
マンションやアパートでは、管理規約や建物の配管設備によって使用できる給湯器が決まっていることがあります。個人の判断で石油給湯器へ変更できない場合もあります。
地方・田舎の場合
地方や田舎では、都市ガスの導管が整備されておらず、プロパンまたは灯油を使用している住宅が多くあります。
敷地に余裕があり、灯油タンクの設置場所を確保できる場合は、石油給湯器を選びやすくなります。地域に灯油の定期配送があるかどうかも重要です。
一方、灯油の配送拠点から離れている場合は、配達料金や最低注文量が設定されることがあります。給湯器を選ぶ前に、地域の販売店へ確認しておきましょう。
寒冷地の場合
寒冷地では給湯に必要なエネルギーが増えやすく、暖房にも灯油を使用している家庭があります。すでに大型の灯油タンクがあり、給湯器と暖房で灯油を共用している場合は、石油給湯器を継続する方が設備を活用しやすいことがあります。
寒冷地では凍結対策も必要です。燃料だけでなく、寒冷地仕様の有無や配管の凍結防止工事まで含めて比較してください。
高効率給湯器なら燃料の使用量を抑えやすい
ガスと石油のどちらを選ぶ場合でも、給湯器の熱効率を確認しましょう。
ガス給湯器のエコジョーズ
エコジョーズは、従来は排気として捨てていた熱を再利用してお湯を作る高効率ガス給湯器です。都市ガス用とプロパン用があります。
石油給湯器のエコフィール
エコフィールは、排気熱を再利用する高効率石油給湯器です。使用する燃料は灯油です。
高効率給湯器は、一般的な従来型より本体価格が高くなる場合がありますが、使用する燃料を抑えやすいことが特徴です。お湯の使用量が多い家庭ほど、効率の違いがランニングコストに表れやすくなります。
エコジョーズとエコフィールは、運転時にドレン排水が発生するため、設置場所によっては排水工事が必要です。見積もりでは、本体価格だけでなくドレン工事費も確認してください。
現在と違う燃料へ変更するときの注意点
給湯器の燃料を変更する場合は、本体交換以外の工事が必要になります。
ガスから石油へ変更する場合
- 石油給湯器本体の設置場所を確保する
- 灯油タンクを設置する
- 送油管を新設する
- 既存のガス配管を適切に処理する
- 排気や騒音が周囲へ影響しないか確認する
石油からガスへ変更する場合
- 都市ガスまたはプロパンの配管を確認する
- ガスメーターの容量を確認する
- 灯油タンクと送油管を撤去する
- タンク内に残った灯油を適切に処分する
- ガス給湯器の設置基準を満たす場所を確保する
燃料変更には追加費用がかかるため、ランニングコストの差だけで決めると、総額では割高になる可能性があります。
現在の給湯器と同じ燃料を使う場合、既存設備を利用できることが多いため、まずは同一燃料での交換見積もりを基準にすると比較しやすくなります。
ガス給湯器が向いている家庭
次のような家庭では、ガス給湯器が向いている可能性があります。
- 都市ガスを利用できる
- 現在もガス給湯器を使用している
- 初期費用をできるだけ抑えたい
- 灯油の補充や残量管理をしたくない
- 給湯器の設置スペースが限られている
- 集合住宅に住んでいる
- 1人または2人暮らしでお湯の使用量が少ない
特に都市ガスが利用でき、既存のガス配管を使用できる場合は、導入費用と管理のしやすさのバランスを取りやすくなります。
プロパンを利用する場合は、給湯器の価格だけでなく、現在の基本料金と従量単価を確認してください。
石油給湯器が向いている家庭
次のような家庭では、灯油を使用する石油給湯器が向いている可能性があります。
- 現在も石油給湯器を使用している
- すでに灯油タンクと送油管がある
- 家族が多く、お湯の使用量が多い
- 浴槽へ毎日お湯をためる
- 都市ガスを利用できない
- 契約中のプロパン料金が高い
- 灯油の定期配送を利用できる
- 給湯器と灯油タンクを置くスペースがある
- 暖房でも灯油を使用している
ただし、灯油タンクを新設する場合は、イニシャルコストが増えます。灯油代だけでなく、タンクの設置費用と将来の管理まで含めて検討しましょう。
迷ったときに確認したい6つの項目
ガス給湯器と石油給湯器で迷ったときは、次の情報を整理すると比較しやすくなります。
- 現在使用している給湯器の型番
- 都市ガス・プロパン・灯油のどれを使用しているか
- 直近1年間のガス代または灯油代
- 家族の人数とお湯の使い方
- 給湯器と灯油タンクを置けるスペース
- 今後も同じ住宅へ何年住む予定か
燃料を変更すると初期費用が増えるため、「毎月いくら安くなるか」だけでなく、「追加工事費を何年で回収できるか」まで考えます。
総費用で比べるのがポイントです
イニシャルコスト+想定する使用年数分のランニングコスト+燃料設備の維持費を合計して比較しましょう。
生活修理案内所ならガスと石油の両方を比較できます
ガス給湯器と石油給湯器は、住宅の設備や地域の燃料価格によって向き・不向きが変わります。
生活修理案内所では、現在使用している給湯器の型番、家族構成、設置状況などを確認し、交換機種についてご案内しています。
ガスと石油で迷っている場合は、次の情報をご用意いただくと、比較がスムーズです。
- 現在の給湯器の型番が分かる写真
- 給湯器全体と周辺の写真
- 灯油タンクまたはガスメーター周辺の写真
- 家族の人数
- 追いだきの有無
- 現在困っている症状
ガスか石油か、機種選びと見積もりだけでもご相談ください
現在の設備を確認し、ガス給湯器・石油給湯器それぞれの設置条件をご案内します。
まとめ
ガス給湯器は、比較的コンパクトで灯油の補充が不要なため、都市部や集合住宅、初期費用と管理の手軽さを重視する家庭に適しています。
石油給湯器は、灯油タンクの設置と燃料管理が必要ですが、家族が多くお湯の使用量が多い家庭や、都市ガスを利用できずプロパン料金が高い地域では、有力な選択肢になります。
ただし、都市ガス、プロパン、灯油の価格は地域や契約内容、時期によって変わります。どちらが安いかは、給湯器本体の価格だけでは決まりません。
現在の燃料設備、交換工事費、家族構成、年間の燃料費を確認し、イニシャルコストとランニングコストを合わせて比較しましょう。