給湯器は定期的なお手入れと確認が必要
給湯器は屋外やベランダなどに設置されていることが多く、雨や風、砂ぼこりなどの影響を受けます。また、浴槽の循環口には髪の毛や湯あかが付着することがあります。
給湯器のお手入れというと難しく感じるかもしれませんが、利用者が行う基本的なお手入れは、本体外装の汚れを拭き取ったり、浴槽循環口のフィルターを掃除したりする程度です。
給湯器の内部を開けて掃除する必要はありません。内部の点検や部品交換が必要な場合は、メーカーや専門業者へ依頼してください。
この記事で紹介する内容は一般的なお手入れ方法です
給湯器の構造やお手入れ方法は、メーカーや型番によって異なります。実際に作業するときは、必ず使用している給湯器の取扱説明書を確認してください。
お手入れを始める前の注意点
給湯器のお手入れを始める前に、安全のため次の点を確認しましょう。
- 給湯器を使用していない状態で作業する
- 本体や配管が熱いときは、冷めるまで待つ
- 濡れた手で電源プラグや電気部品に触れない
- 本体へ直接水をかけない
- 給気口や排気口の中へ道具を差し込まない
- 本体のカバーを取り外さない
- 高い場所にある給湯器へ無理に手を伸ばさない
掃除中にガス臭、灯油臭、焦げた臭いなどを感じた場合は、作業を中止してください。異臭や煙が発生している状態で給湯器を使い続けるのは危険です。
給湯器本体の外装を掃除する方法
給湯器本体の外側に付いた砂ぼこりや汚れは、柔らかい布で拭き取ります。
基本的な掃除手順
- 給湯器が運転していないことを確認する
- 本体が熱い場合は冷めるまで待つ
- 柔らかい布で表面のほこりを拭き取る
- 汚れが落ちにくい場合は、水または薄めた中性洗剤を含ませた布を固く絞って拭く
- 最後に乾いた布で水分を拭き取る
研磨剤入りの洗剤、たわし、硬いブラシなどは、外装を傷つける可能性があります。シンナーやベンジンなども使用しないでください。
給湯器へホースや高圧洗浄機で水をかけると、内部へ水が入り故障するおそれがあります。本体を丸洗いしないようにしましょう。
給気口・排気口の周囲を確認する
ガス給湯器や石油給湯器には、燃焼に必要な空気を取り込む給気部分と、燃焼後の排気を出す部分があります。
落ち葉やごみなどで周囲がふさがれていないか、目で見える範囲を確認しましょう。
- 排気口の前に物を置かない
- 給湯器の上に洗濯物を干さない
- 本体の周囲に段ボールなどの可燃物を置かない
- 植物の枝や落ち葉が接触していないか確認する
- ベランダの収納用品などで囲わない
給気口や排気口の内部に見える汚れを、棒やブラシで無理に取り除いてはいけません。内部清掃が必要な場合は専門業者へ依頼します。
排気口周辺に黒いすすが付いている場合や、本体の一部が変色している場合は、単なる汚れではなく燃焼状態に問題がある可能性があります。掃除だけで済ませず、点検を依頼してください。
浴槽循環口のフィルターを掃除する
追いだき機能付きの給湯器では、浴槽の内側に循環口が取り付けられています。循環口のフィルターに髪の毛や湯あかがたまると、お湯の循環が悪くなり、追いだきや湯はりに影響することがあります。
一般的な掃除手順
- 給湯器の運転を停止する
- 浴槽のお湯を抜く
- 循環口のフィルターを取扱説明書に従って取り外す
- フィルターに付着した髪の毛やごみを取り除く
- 歯ブラシなどの柔らかいブラシを使って水洗いする
- 向きや位置を確認し、確実に元へ戻す
フィルターの取り付けが不十分だと、正常に循環しないことがあります。取り外す前に、向きや取り付け位置を確認しておくと安心です。
循環口の形状や外し方は機種によって異なります。回しても外れない場合は、力を加えず取扱説明書を確認してください。
ふろ配管を洗浄するときの注意点
追いだき配管には、皮脂や湯あかなどの汚れが付着することがあります。給湯器に配管洗浄機能が搭載されている場合は、取扱説明書に従って洗浄してください。
配管洗浄剤を使用する場合は、給湯器の方式や機種に対応した製品を選びます。使用できる洗浄剤や必要な水量、運転方法はメーカーや機種によって異なります。
- 給湯器に対応していない洗浄剤を使用しない
- 洗浄剤を規定量以上に入れない
- 異なる洗浄剤を混ぜない
- 洗浄後は取扱説明書に従って十分にすすぐ
- 洗浄中のお湯を入浴や洗濯に使用しない
自動配管洗浄機能が付いていても、循環口のフィルター掃除が不要になるわけではありません。フィルターに付着したごみは定期的に取り除きましょう。
石油給湯器のお手入れで確認すること
石油給湯器では、本体や排気口周辺に加えて、灯油タンクや送油配管の状態も目視で確認します。
- 給湯器や灯油タンクの周囲に油漏れがないか
- 灯油の強い臭いがしないか
- 送油管に損傷や著しいさびがないか
- 運転中に黒い煙やすすが出ていないか
- 以前と違う音や振動がないか
機種によっては、オイルストレーナーの清掃や灯油タンクの水抜きなどが案内されています。ただし、作業方法は給湯器やタンクの構造によって異なります。
取扱説明書に利用者が行う作業として記載されていない場合や、手順に不安がある場合は、自分で分解せず販売店や専門業者へ相談してください。
灯油漏れや煙がある場合は使用を中止してください
油漏れ、強い臭い、黒い煙、焦げた臭い、異常な音や振動などがある状態で、運転を続けてはいけません。
エコキュートのお手入れで確認すること
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットを組み合わせた給湯設備です。本体外装や浴槽循環口に加えて、ユニット周辺の状態を確認します。
- ヒートポンプユニットの周囲に物を置かない
- 吸込口や吹出口を落ち葉などでふさがない
- 本体や配管周辺に水漏れがないか確認する
- 浴槽循環口のフィルターを掃除する
- 取扱説明書に従ってふろ配管を洗浄する
貯湯タンクの排水、逃し弁の確認、給水配管専用止水栓の操作などが、定期的なお手入れとして指定されている機種もあります。
これらの位置や操作手順は機種によって異なり、高温のお湯が出る可能性もあります。必ず取扱説明書を確認し、分からない場合はメーカーや専門業者へ相談してください。
なお、沸き上げ中に排水配管から水が出ることは、タンク内の水が温められて膨張したことによる場合があります。ただし、排水配管以外から水が出ている場合は点検が必要です。
給湯器のお手入れ頻度の目安
給湯器のお手入れ頻度は、設置環境や使用状況によって異なります。次の表は、日常管理の一般的な目安です。
| 確認する場所 | 頻度の目安 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 浴槽循環口 | こまめに | 髪の毛や湯あかを取り除く |
| 給湯器の外装 | 汚れが気になったとき | 柔らかい布で汚れを拭き取る |
| 給気口・排気口周辺 | 月に1回程度を目安 | 物や落ち葉でふさがれていないか確認する |
| 配管や接続部分 | 月に1回程度を目安 | 水漏れ、油漏れ、さびなどを目視する |
| ふろ配管 | 取扱説明書に従う | 対応する方法や洗浄剤で洗浄する |
| 石油給湯器・エコキュート固有の作業 | 取扱説明書に従う | 指定された定期点検やお手入れを行う |
上記はあくまで目安です。海沿い、交通量の多い道路沿い、落ち葉が多い場所などでは、汚れや周囲の状態をよりこまめに確認してください。
自分でやってはいけない給湯器のお手入れ
次の作業は、利用者自身では行わないでください。
- 給湯器本体のカバーを開ける
- 内部の部品や配線に触れる
- 給気口や排気口の奥へ道具を入れる
- ガス管や灯油配管を取り外す
- 安全装置やセンサーを調整する
- エラー表示を何度もリセットして使い続ける
- 給湯器を囲ったり、排気方向を勝手に変更したりする
- 水漏れしている配管をテープだけで補修する
給湯器の内部には、燃焼部品、電気部品、高温になる部品などがあります。誤った作業は、火災、感電、不完全燃焼、水漏れなどにつながるおそれがあります。
掃除ではなく点検や交換を検討したい症状
次のような症状は、お手入れだけで改善できない可能性があります。
- お湯の温度が安定しない
- お湯が出るまで以前より時間がかかる
- 運転中に異常な音や振動がする
- ガス臭、灯油臭、焦げた臭いがする
- 黒い煙やすすが出ている
- 給湯器や配管から水・灯油が漏れている
- エラーコードが繰り返し表示される
- 本体の外装に著しいさびや変形がある
異臭、煙、油漏れなどがある場合は、使用を中止してメーカーや専門業者へ連絡してください。
エラーコードが表示されている場合は、給湯器エラーコード早見表からメーカーとコードを確認できます。
給湯器の状態が気になるときは生活修理案内所へ
給湯器のお手入れをしていると、さび、水漏れ、異音など、これまで気付かなかった症状が見つかることがあります。
生活修理案内所では、ガス給湯器、石油給湯器、エコキュートについて、修理や交換のご相談を受け付けています。
「掃除で直る状態なのか分からない」「使用年数が長いため交換も検討したい」「現在の型番に合う後継機種を知りたい」といった段階でも、お気軽にご相談ください。
まとめ
給湯器の日常的なお手入れは、本体外装の拭き掃除、給気口・排気口周辺の確認、浴槽循環口フィルターの掃除などが中心です。
石油給湯器のオイルストレーナーや、エコキュートの貯湯タンクに関する作業などは、メーカーや型番によって手順が異なります。取扱説明書に記載された方法を守り、不明な場合は無理に作業しないでください。
異臭、煙、すす、油漏れ、水漏れ、繰り返すエラーなどが見つかった場合は、お手入れだけで済ませず、メーカーや給湯器の専門業者へ点検を依頼しましょう。