水しか出ていなくても給湯器が作動することがある
キッチンや洗面所で、手を洗ったり食器を軽くすすいだりするとき、「冷たい水しか出ていないから給湯器は動いていない」と思っていませんか。
シングルレバー混合水栓では、レバーの位置によって水とお湯を混ぜて温度を調節します。水だけを使っているつもりでも、レバーがお湯側に入っていると、給湯器へ給湯を求める状態になることがあります。
短時間で水を止めると、給湯器で温められたお湯が蛇口へ届く前に使用が終わります。そのため、利用者には冷たい水しか出ていないように感じても、給湯器側では燃焼を始めている場合があります。
水の温度だけでは判断できません
蛇口からお湯が出るまでには、給湯器と水栓の間にある配管内の冷たい水を出す必要があります。給湯器が作動しても、すぐに水を止めれば温かさを感じないことがあります。
シングルレバー混合水栓の仕組み
シングルレバー混合水栓は、1本のレバーで水量と温度を調節する水栓です。
- レバーを上下に動かして水を出す・止める
- レバーを左右に動かして温度を調節する
- 水側では給水管から来た水を出す
- お湯側では給湯器から来たお湯を出す
- 中間では水とお湯を混ぜて出す
ただし、水だけが出る範囲はすべての水栓で同じではありません。水栓のメーカー、型番、製造された時期などによって異なります。
「右端なら水側」という製品が一般的ですが、レバーの正面位置まで水だけが出る省エネ型水栓もあります。正確な範囲は、水栓本体の青・赤表示や取扱説明書で確認してください。
水だけを使いたいときのレバー位置
一般的なシングルレバー混合水栓
従来型のシングルレバー混合水栓では、レバーの右側が水、左側がお湯になっていることが一般的です。
水だけを確実に使いたい場合は、レバーを水側へ十分に動かしてから水を出します。レバーが中央付近にあると、水とお湯が混ざる設定になり、給湯器が作動する可能性があります。
エコシングル・エコハンドルなどの省エネ水栓
近年は、レバーの正面位置まで水だけが出るように設計された水栓もあります。
お湯が混ざり始める位置に「カチッ」というクリック感が設けられており、水とお湯の境目を手の感覚で判断できる製品です。
このタイプでは、必ずしもレバーを右端まで動かす必要はありません。クリック感より水側で使用すれば、水だけを出せます。
「水だけが出るのは右端だけ」とは限りません
水栓によって構造が違います。青・赤の表示、クリック感、取扱説明書などを確認してください。
自宅の水栓が省エネタイプか確認する方法
自宅の水栓が従来型か省エネ型か分からない場合は、次の方法で確認できます。
レバーをゆっくり動かす
水を止めた状態で、レバーを左右へゆっくり動かします。途中で「カチッ」という感触がある場合は、水とお湯の境目を知らせる省エネ型水栓の可能性があります。
水栓の品番を確認する
水栓本体の根元、吐水口の裏側、シンク下のホースなどに品番が記載されたシールが貼られていることがあります。
品番が分かれば、メーカーのウェブサイトや取扱説明書から、レバーの温度調節範囲を確認できます。
給湯器のリモコンを見る
水を流したときに、給湯器リモコンの燃焼表示や炎のマークが点灯するか確認します。
レバーを水側へ動かすと表示が消え、お湯側へ動かすと表示される場合は、水栓の位置によって給湯器が作動していることを確認できます。
給湯器やリモコンによって表示方法が異なるため、詳しくは取扱説明書を確認してください。
給湯器が無駄に作動すると何が起きる?
水だけでよい場面で給湯器が作動すると、少量ではありますが、ガス給湯器なら都市ガスやプロパン、石油給湯器なら灯油を使用する可能性があります。
1回当たりの使用量はわずかでも、次のような短時間の使用を毎日繰り返すと、年間では無視できない回数になります。
- 手を少し洗う
- コップをすすぐ
- まな板をぬらす
- 布巾を洗う
- 歯磨き後に口をすすぐ
- 洗面台を軽く掃除する
給湯器が燃焼を始めても、お湯が蛇口まで届く前に水を止めれば、配管内に作られたお湯を使わずに終わることがあります。
ただし、給湯器は一定以上の水量が流れたときに作動するため、水栓を少しだけ開けたすべてのケースで必ず燃焼するとは限りません。作動条件は給湯器によって異なります。
給湯器の無駄な作動を減らす使い方
水だけでよいときはレバーを水側にする
手洗いや軽いすすぎなど、お湯が必要ない場面では、レバーを水側の範囲に合わせてから水を出します。
水を出してからレバー位置を調節するのではなく、最初に位置を確認しておくのがポイントです。
使ったあとは水側へ戻す
お湯を使ったあとにレバーを中央やお湯側へ置いたままにすると、次に水だけを使うつもりでも給湯器が作動しやすくなります。
使用後にレバーを水側へ戻す習慣を付けると、家族も水だけを使いやすくなります。
給湯器リモコンの運転を切る
夏場など、キッチンや洗面所でしばらくお湯を使わないと分かっている場合は、給湯器リモコンの運転を切る方法もあります。
ただし、給湯器本体の電源プラグを抜く必要はありません。冬季に電源プラグを抜くと、凍結予防機能が働かなくなる可能性があります。
家族で水側の位置を共有する
水栓の仕組みを知っている人だけが気を付けても、家族が中央位置で使い続ければ、無駄な作動を十分に減らせません。
クリック感の位置や青色表示などを家族で確認しておきましょう。
お湯を使う場面まで我慢する必要はない
給湯器の作動を減らすために、油の付いた食器を冷たい水だけで洗ったり、冬の手洗いで無理に水を使ったりする必要はありません。
節約のポイントは、お湯が必要な場面では適切に使い、水で十分な場面では給湯器を作動させないことです。
| 使用場面 | 使い分けの例 |
|---|---|
| コップや手の軽いすすぎ | 水側を使用 |
| 油汚れのある食器 | 汚れを拭き取ってから必要に応じてお湯を使用 |
| 冬場の手洗い | 無理をせず適温のお湯を使用 |
| 洗面台の簡単な掃除 | 水側を使用 |
| 給湯配管が長い場所 | 短時間だけお湯を使う必要があるか検討 |
また、水を出しっぱなしにすれば、水道代も増えます。レバー位置だけでなく、使用時間や水量も見直しましょう。
水側にしても給湯器が作動するときは?
レバーを明確に水側へ合わせているにもかかわらず、給湯器が作動する場合は、水栓や配管の状態を確認する必要があります。
考えられる原因には、次のようなものがあります。
- 水栓内部のカートリッジが劣化している
- レバーの表示と実際の温度調節位置がずれている
- 水側とお湯側の配管が正しく接続されていない
- 別の場所でお湯を使用している
- 床暖房など別の温水設備が作動している
- 給湯器リモコンの表示を燃焼表示と見間違えている
また、水側へ動かしてもお湯が混ざる、水温が急に変化する、レバーが固い、水栓から水漏れするといった症状がある場合は、水栓内部の部品が劣化している可能性があります。
水栓の使用年数が長い場合は、部品交換だけでなく水栓本体の交換も検討しましょう。
給湯器が何度も点火と停止を繰り返す場合
水栓を使用中、給湯器が短時間で何度も点火と停止を繰り返す場合は、レバー位置だけが原因とは限りません。
- 流している水量が少なすぎる
- 水栓側で水とお湯を細かく調節している
- 給水フィルターが汚れている
- 水圧が安定していない
- 給湯器に不具合が発生している
極端に少ない流量では、給湯器が点火と停止を繰り返し、お湯の温度が安定しないことがあります。
十分な水量を流しても温度が安定しない場合や、以前は問題なく使えていたのに症状が出るようになった場合は、給湯器の点検を検討してください。
エラーコードが表示されている場合は、給湯器エラーコード早見表から内容を確認できます。
水栓や給湯器の状態が気になるときはご相談ください
水だけを使っているつもりでも給湯器が作動する場合は、まず水栓レバーの位置と給湯器リモコンの燃焼表示を確認しましょう。
水側へ合わせてもお湯が混ざる場合や、温度が安定しない場合は、水栓のカートリッジまたは給湯器に不具合が起きている可能性があります。
水栓と給湯器、どちらに原因があるか分からなくてもご相談ください
生活修理案内所では、蛇口の水漏れや部品交換、給湯器の点検・交換についてご相談いただけます。
まとめ
シングルレバー混合水栓では、水だけを使っているつもりでも、レバーがお湯側の範囲に入っていると給湯器が作動することがあります。
ただし、水だけが出るレバーの範囲は水栓によって異なります。従来型では右側が水になっていることが一般的ですが、近年のエコシングルやエコハンドルは、正面位置でも水が出るように設計されています。
水栓の青・赤表示、クリック感、取扱説明書などから、自宅の水栓で水だけが出る位置を確認しましょう。
水側に合わせてもお湯が混ざる、給湯器が作動する、温度が安定しないといった場合は、水栓または給湯器の点検が必要です。